もう叶わない。
アレも欲しいコレも欲しいとあたしの欲求が増える度に
貴方はそれを叶えようとする。
それを鬱陶しいと感じるのは
幸福感に麻痺した私の我儘。
大好きなのに素直になれない。
かわいくないと反省してもしなくても
貴方は優しい笑顔をくれた。
夢の中の星降る夜は
耳障りな空気の軋む音でかき消されてしまう。
貴方に会う度に卑屈になるのがわかる。
もう一度
貴方に抱き締められたなら素直になれる…
そんな気がするのに
それも もう叶わない。
私の気持ちは何処にも向かわない。
只、
呼吸の速さが残るだけ。
確かに私は恋してた。
楓